病棟で働いているけど、やることがありすぎて時間内に終わらない…
先輩にも時間がかかりすぎって怒られてしまう…泣
このような悩み、看護師として働いていれば一度は経験があるのではないでしょうか。
わたしは昔から自他共に認めるのんびりした性格です。
入職当時は時間管理にとても苦労しました…
「つむぎさん、今までなにしてたの!?
これだけしか終わってないの!?」
と怒られて落ち込んだことは数知れず…
しかし年数を重ねて時間管理のコツをつかみ、救急病棟でも通用するような時間管理能力が身に付きました。
その方法を皆様にお伝えします!
これから紹介する内容は、
新人時代に救急病棟でプリセプターの先輩に教えてもらい、
自分がプリセプターになったときにも後輩へ伝えていたことです。
再現性の高いものばかりですのでぜひ参考にして下さい。
- 先輩から「まだ終わってないの?」と怒られる
- 「大丈夫?」に「大丈夫です!」とつい答えてしまう
- 周りを頼るのが苦手
- 入職・転職直後で何事にも時間がかかってしまう
具体的な時間管理のコツ
一日のスケジュールを書きだす
情報収集のときに、一日にすべきことを書き出してスケジュールをたてましょう。
慣れないうちは細かいことでも紙に書き出しておくのがおすすめです。
わたしは新人時代、患者シートを使って
・2時間刻みで線を引く
・点滴交換、処置、食事介助、おむつ交換などのするべきことを書く
・時間がわからない手術や処置は欄外に書く
ということをしていました。
スケジュールに慣れると、書かなくても動けるようになってきます。
紙にスケジュールを書き出すメリットはたくさんあります。
特に、わたしのような時間がかかってしまう人の特徴ですが…
大丈夫?と聞かれても、忙しいと反射的に大丈夫!と答えてしまいがちでした。
紙に書いて把握しておけば、それを見て依頼しやすくなります。
おむつ交換、口腔ケア、末梢確保などは受け持ち看護師でなくてもしやすい看護処置です。
大変だ…と思ったら早めにヘルプ依頼しましょう。
紙に書くことは優先順位を決めるのにも役立ちます。
例えば、
この患者さんは状態が良くないから一番最初にラウンドしよう。
何かあれば先生に早めに報告して備えよう。
他の患者さんは落ち着いていて急がなくて大丈夫。
オペ出しが○時にあるから、大体帰室は○時くらいかな。
患者さん帰室後は忙しそうだからその前に○○の点滴の準備をしてしまおう。
食事介助とシリンジポンプの薬剤が交換時間が重なりそうだな。
昼休憩の時間は調整が必要だからリーダーさんに相談しよう。
あとはスムーズに交換できるように食事介助前に薬剤準備しておこう。
といった具合です。
正直、初めて先輩に聞いたときは、すべてを紙に書くなんて大変だ…と思っていました
しかし、早い段階でこの癖をつけたことで、慣れると紙を見ずに頭で優先順位を付けられるようになりました。
大きな処置や初めて経験することは先輩に事前に伝えておく
大きな処置や未経験の処置は、手技自体や記録にも時間がかかってしまいます。
その不安を勤務が始まる前に先輩につたえてしまいましょう。
新人さんにはペアとなり相談する先輩がついていると思います。
一人立ちしてからも不安であればリーダー看護師に相談しましょう。
先輩に話しかけるのは勇気がいるかもしれません。
しかし、事前の相談は先輩にとって実はうれしいものです。
チームリーダーをした経験がありますが、あらかじめ相談してもらうことで、リーダー自身の一日のスケジューリングもしやすいので助かります。
きちんと報告・連絡・相談できる後輩、という印象を持ってもらえます。
伝えるときは以下の点を明確に伝えましょう。
先輩も教えるときにスムーズになります。
- 経験は何回目なのか。
見学もしたことがない
見学のみ1回ある
1回経験があるがとても昔で自信がない、等 - どこまで経験したいのか。
見学がしたい
見守りで実施したい
○○の所だけ未経験なのでそこだけ見守りで実施したい
例えば、このような伝え方です。
「○○さん、お忙しい所すいません。
今日●●さんに△という処置が入っているのですが、
例①初めてなので教えて頂いてもいいでしょうか。
例②一度見学したことはあるのですが自身がないので手技を見て頂いてもいいでしょうか。
(書いた記録もお手隙の時に確認して頂けないでしょうか…。etc)」
一つの手技にどれだけかかるか把握して一日の計画を立てる
一つの作業に没頭していると、つい時間を忘れてしまいがち。
記録や手技にどれだけ時間がかかるか把握しておく事で、一日の計画が立てやすくなります。
私は慣れないうちは、タイマーを使用していました。
また、処置中に何かを依頼された場合にも
「あと○分くらいで終わりそうです」と目安があると
先輩との連携も上手にできます。
特に記録類はついホッとしてゆったり書いてしまいがちです…
記録こそ時間目標を設けてテキパキ書いていきましょう。
ナースコールが鳴らない環境をつくる(環境整備)
時間がかかってしまう事の一つにコール対応がありますよね。
もちろんナースコールは患者さんにとって命の綱で大事なものです。
しかし、ナースの工夫次第で患者さんへの影響はなくコールを減らすようにする事もできます。
- 訪室のついでにトイレ誘導をしておく
- 動けない患者さんのベッド周囲に必要なものを置いておく
- 何度も同じ事を聞いてしまう患者さんには、説明の紙を見える所に貼っておく
(一日のスケジュールや時計を置いておくと安心できることも) - 患者さんが手持ち無沙汰にならないように、本・塗り絵・ドリルなど楽しめるものを置いておく
- 病室を離れる前に、患者さんに疑問点や今必要なものがないか確認する
特に即効性と効果があるのが、ドリルやぬりえです。
帰りたい!!と頻回なコールの患者さんに塗り絵を渡したら、一生懸命やってくれて今までのコールは何だったの…
と思ったことがたくさんあります。
なにもしないことが不安を増強させているんだな、と感じます。
無料のサイトもあるのでぜひ活用しましょう。
必要のないことが行われていないかアセスメント
患者さんにとって、不必要な処置や観察が継続して行われている場合があります。
それは患者さんに負担を強いている事はもちろん、看護師の業務を増やすことにも繫がっているのです。
- 入院のときに装着した心電図モニターや、尿量測定の指示。
今は状態が落ち着いたけどまだ必要かな。
- インスリン投与なく血糖値はずっと落ち着いている。
一日三回の血糖測定は必要かな…
- 抗生剤を点滴でつないでいるけど末梢漏れを繰り返している。
炎症反応も下がってきたし内服に切り替えられないかな…
疑問に思うことがあれば、リーダーさんへ相談、医師へ報告してみましょう。
忙しいとどうしてもルーチン化してしまう看護業務。
常に「これはなんで実施しているのかな」という疑問を持つように習慣をつけることが大切です。
必要なもの、不必要なものがアセスメントできるようになり、結果業務をへらすことにつながります。
ホウレンソウを徹底して急変させない看護を実践
急変は、患者さんに苦痛を与えてしまうことはもちろん、看護師にとっても負担が大きいです。
「早めに気付き、早めに報告・連絡・相談し、早めに処置を行う」
ことが大事です。
「急変させない」とは抽象的で経験が浅いうちはなかなか難しいことです。
何かがいつもと違うな、という第六感は意外と当たるものです。
感じたらとにかくすぐ先輩に報告するようにしましょう。
余裕が無い時は早めにヘルプを
みんなが忙しくしている病棟では、なかなかヘルプの声を上げにくいですよね。
しかし、忙しい、時間がない時にインシデント・アクシデントは起こりやすいです。
やることがたくさんありすぎてパニック状態の時は、勇気を出して先輩に相談しましょう。
先輩が手を貸してくれたり、たとえ病棟が人手不足でもリーダーが他病棟からの応援を依頼したり、たくさんの人が支えてくれます。
そして勤務後に「○○の時はすみません、ありがとうございました。」と感謝を伝えれば大丈夫です。
病棟では自分一人で看護をしている訳ではありません。
一人でかかえこまず、安心して周りを頼りましょう。
それが患者さんの安全には必要ですし、結果自分の仕事が早く終わる事にも繫がります。
とはいえ何を依頼したらいいの?と思う場合は以下を参考に人に依頼してみましょう。
・カルテで詳細な情報を把握していなくても可能なもの
・間違いや患者さんへの侵襲リスクの低いもの
例)ルート確保、採血、食事介助(初回や食上げ時以外)、清潔ケア、排泄介助、血糖測定、吸引、口腔ケア
時間がかかってもいい場合もある
時間がかかるというと悪いイメージがありますが、そうとはかぎりません。
「患者さんへの看護の質の向上のために時間がかかってしまう」
ような場合もあるからです。
時には正しいことをしていても、先輩に「早くして!」と言われてジレンマを感じることがあるかもしれません。
そんなときでも、患者さんのためになっているから正しいんだ!と自信を持ちましょう。
新しいことをするとき
毎日の検温でも、処置でも、経験が浅いうちはどうしても時間がかかります。
しかし、無理に急いでしまうと重要な項目を見逃してしまい急変に繫がる可能性もあります。
慣れていない時は、ゆっくりでもいいので確実性を重視しましょう。
スピードは回数をこなしていけば後からついてきます。
患者さんの負担を減らすケア
患者さんの状態や重症度によっては、負担をかけないようにゆっくりとケアする必要があります。
早くできた!けど患者さんは苦痛だった…ではいけません。
例えば、NPPVなど人工呼吸器を装着した患者さんのマウスケア。
長時間マスクを外していると酸素化が落ちてしまいます。
そのためマスクを付けたり外したりして、酸素化に留意しながら行います。
時間はかかるけれど、患者さんにとっては苦しくない方がいいですよね。
もしどうしても時間のかかることがある場合は、他の人に依頼できるところは依頼して自分の負担が大きくなりすぎないようにコントロールしましょう。
適切な時間管理は患者さんの満足度にも繫がる
時間管理・早く仕事を終えること、というと患者さんの気持ちを置いてきぼりにした看護師優位な考え、
というイメージがあるかもしれません。
しかし、適切な方法であれば看護師にも患者さんにもいいことが沢山あります。
ぜひ今回お伝えしたことを参考にして、時間管理を意識してもらえたら嬉しいです。
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