- 妊娠を期に負担の少ない職場に転職したい。
- 転職できても産休や育休は貰えるのかな…
- 新しい職場で気を遣って体への負担が大きくなるのは心配…
ご懐妊おめでとうございます。
嬉しい反面、看護師として働いていると不安要素が沢山ですよね。
この記事を見ている方は、現在の激務で転職や退職を真剣に考えていることと思います。
しかし、結論から言うと
妊娠中の転職は難しいのが現状です。
理由は、
- 妊娠中の転職自体が難しい
- 転職できたとしても周りに気を遣い体を守るどころではない
わたしは看護師を妊娠を期に退職。
妊娠中に転職活動をした経験がありますが…
複数の転職エージェントより、妊娠中の転職は難しいとの返答でした。
また、妊娠中に転職した知人は周りに気を遣い
大きいお腹でもなかなか休めず大変な思いをしていました。
わたしの場合はすでに退職後で、
- お金はどうしよう…
- 働けないなんて人生初めてだ…
- 今後いつ働けるようになるだろう…
と途方に暮れたことを記憶しています。
わたしは、流産の経験があり妊娠中に看護師として働くことは
正直おすすめできません。
でも、転職できないならせめて今の職場を続けられたら…
という気持ちも分かります。
この記事で紹介する、母体のことを考えてくれる職場ならば継続することができます。
逆に、当てはまらない場合は退職を考えましょう…
この記事を読めば、妊娠中の転職のリスクが分かります。
また、
どのような職場なら妊娠中も続けられる?
逆に辞めた方がいい職場は?
の疑問も解決します。
- 妊娠中の転職をおすすめしない理由
- 妊娠して看護師を続けるメリット・デメリット
- 退職せず継続することができる職場とは
妊娠中の転職をおすすめしない理由
わたしの体験談のように、そもそも妊娠中の転職は難しいことが多いです。
しかし、もし雇ってくれる職場が見つかったとしても妊娠中の転職は避けるべきです。
育休手当がもらえない
出産するとき、働いている人が貰える手当は大きく2種類あります。
産休手当は勤務先の健康保険に加入していれば受け取れます。
しかし、育休手当は加入条件を満たさなければ受け取れません。
- 雇用保険に加入し、保険料を支払っている
- 育児休業後、退職予定がない
- 育休中の就業日数が各1カ月に10日以下
- 育休中に休業開始前の1カ月の賃金の8割以上が支払われていない
- 育休前の2年間で11日以上働いた月が12カ月以上
妊娠中の転職では、育休前の2年間で11日以上働いた月が12カ月以上は満たしません。
つまり育休手当は受給できないということです。
産後2ヶ月から復帰しなければならない可能性も
育休手当を受給できないということはつまり、
産休あけすぐに復帰の可能性が高いということです。
産休あけすぐの産後2、3ヶ月といえば…
頻回授乳や夜泣きで夜も眠れず、とてもしんどい時期。
復帰後すぐから昼は仕事、夜は赤ちゃんのお世話の生活です。
体力的に厳しいことは間違いないでしょう。
また、低月齢から預ける事が出来る保育園は限られるので保活も難しくなります。
人間関係ができていない状況出来る業務が限られる
妊娠中の病棟看護師は、出来る業務が限られます。
まだ人間関係が出来ていない状態で、自分から「○○ができません」と言う必要があります。
こちらの記事で、妊娠中避けるべき業務を詳しくを紹介しています。
人間関係が構築された状況でないと、なかなか伝えにくいものです。
職場で周りに気を遣い、自分やお腹の赤ちゃんに負担がかかる事態にならないようにしましょう。
これらの理由から、看護師が妊娠したらいまの職場を継続or退職の判断をするのが現実的です。
それでは次に、
- 今の職場を継続するメリット・デメリット
- どんな職場なら退職せず継続するべきなのか
について確認していきます。
妊娠後、退職せずに仕事を継続するメリット
育児休業給付金がもらえる
なんと、手取り賃金で比べると、休業前の約8割が支給されます!
育児休業取得日から180日までは休業開始時賃金日額×67%が、181日以降は休業開始時賃金日額×50%が支給
育児休業給付金は非課税のため、所得税はかかりません(翌年度の住民税算定額にも含まれません)
育児休業中の社会保険料は、労使ともに免除されます。給与所得が無ければ、雇用保険料も生じません
転職や退職すると受給できなくなるので、金銭的にはいまの職場を継続するのがメリットが大きいです。
保活が有利
退職してしまうと保活ランクは一番下になってしまいます。
地域によっては産後再就職を希望するときに、保育園に預けられない!という事態になることも。
でも看護師なら、一度退職してもどこにも預けられない!
という事態にはほとんどならないので安心して下さい。
- 多くの総合病院や医療施設には保育施設を併設している
- 認可外の小規模保育園は空きが多い
以上の理由からです。
ちなみに筆者は退職して出産後、求職中ランクで保活して認可保育園に入れることに。
しかし引っ越すことになり結局認可外の小規模保育園に預けています。
認可外というと、マイナスイメージを持つ方もいると思います。(わたしもそうでした…)
でも一概にそうとは言えないので、まずは見学をしてみることをおすすめします。
職場内でのキャリアを継続できる
基本的には、同じ場所で長く働くほど昇進して給料が上がっていきます。
ラダーの取得に関しても同じ職場内で取得するのが効率的でしょう。
しかし、転職するからこそ得られる知識・技術もたくさんあります。
例えばわたしの場合、総合病院→訪問看護→総合病院の転職を経験。
入院中の患者さんの、退院後の生活をふまえた看護を考えられるようになりました。
妊娠後、退職せずに仕事を継続するデメリット
母体への負担が大きい
看護師の業務は母体への負担が非常に大きいです。
日本医労連 2017年看護職員の労働実態調査結果報告 の34枚目〜のスライドが参考になります。
- 3人に1人が切迫流産、流産は1割
- 他職種に比べて高い看護職員の妊娠異常
- 約5割が夜勤免除されない
- マタハラが「ある」が1割
看護師を妊娠中に継続することはリスクが高いことが分かります。
職場を継続すると確かにメリットは沢山あります。
しかし母子の健康が損なわれるような状況であれば継続はNGです。
たとえ退職を選んでも看護師の資格があればお金・保活・キャリアの問題は自分次第で何とかなるからです。
こんな職場なら継続がおすすめ
母体に負担をかけないような配慮がある
- 夜勤の免除をしてもらえる
- 負荷のかかる仕事は「代わるから大丈夫だよ」と声をかけてもらえる
- 体調不良による急なお休みに嫌みを言わずに対応してくれる
こういった配慮のある職場であれば、ぜひ長く続けましょう。
妊娠中だけでなく、育休復帰後も働きやすい職場である可能性が高いからです。
しかし、残念ながらこういった配慮の全くない職場もあります。
夜勤免除を師長にお願いしたら、人がいないから無理といわれた
周りに頼める人がおらず、全介助の人の体位変換を1人で行った
悲しいですが、実際にあったケースです。
辛い思いをすることがある場合は、自身やお腹の赤ちゃんを守るために退職を検討しましょう。
ママナースが多い
ママナースが多い職場は、妊娠・出産に対して理解が深い場合が多いです。
また、こういった職場は育休復帰後も子育てしながら働きやすいでしょう。
わたし自身や周りの友人ナースの経験だと、大規模病院よりも中規模病院の方がママナースが多く働きやすい印象です。
しかし、ママナースの中にも「私のときは大丈夫だったから、あなたもできるでしょ!」と配慮のできない人はいます…
妊娠期間の体調は個人差があるので、このような発言は気にしないのが一番です。
自身の体調に問題がある場合はしっかりお休みをとりましょう。
育休復帰後の働き方が柔軟
- 時短勤務の種類が幅広い
- 子どもが小さいうちは夜勤の免除がある
- 子の看護休暇の制度があり、実際利用している人がいる
- スタッフ人数が確保されており急なお休みへの対応が可能
(周りの反応も要チェック)
選択肢がたくさんあり、制度上だけでなく実際ママナースが利用しているのが大切です。
ママナースが病棟にいる場合は、実際働いてみてどうかを聞いてみましょう。
また、自分の働く場所だけでなく色々な職場の話を聞くと視野が広がります。
- 違う職場の友人ナースの話
- 看護のお仕事などの転職のプロの話
いますぐ職場を変える気持ちがなくても、妊娠中に情報収集をしておくことはおすすめです。
将来的な働き方についての悩みや希望も聞いてくれて様々な選択肢を教えてくれます。
でも転職する気がないのに転職エージェントに登録するのは気が引けるな…
という方も大丈夫です。
わたし自身が妊娠中に慌てて登録しましたが(妊娠中の転職を考えていたので…)
妊娠による転職は考える人が多いのでエージェント側も対応に慣れています。
・出産後は赤ちゃんのお世話に追われて話を聞くどころではない
・他の職場の情報を聞くだけで、将来の働き方について考えるきっかけになる
妊娠中に他の職場のことを知ることはメリットしかありません。
登録や相談は無料でできるので、一度相談してみましょう。
- いまの職場が妊娠に対して配慮のある職場なら継続した方がメリットが大きい
- 配慮のない職場なら退職するべき。退職しても看護師の資格があれば将来の心配はいらない。
- 継続or退職どちらにせよ、妊娠中に友人や転職エージェントからの情報収集はするべき。
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